トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第12回放送 特集:喪失歌謡 

第12回放送 特集:喪失歌謡 

第12回放送 特集:喪失歌謡 

<2016.12.18 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

《第12回 喪失歌謡》

0時歌謡12月2016年最後の放送は、前月に“70年代歌謡曲”を特集したカルチャー誌『昭和40年男』(2016年12月号)でも取り上げた《喪失歌謡》を特集しました。ゲストは本テーマの提唱者でもある馬飼野元宏さん。オーガナイザー・濱口と同じ昭和40年生まれの馬飼野さんは、編集者として月刊誌『映画秘宝』(洋泉社)に携わる一方、歌謡曲研究家として『昭和歌謡ポップスアルバムガイド1959-1979』(シンコーミュージック)など多くの出版物の執筆・監修をしておられます。
番組では同い年の2人が70年代に衝撃を受けた意味深な歌謡曲を中心に、《喪失歌謡》のルーツといえる60年代の作品や、そこから派生した80年代のポップスまで、様々なタイプの楽曲をご紹介しました。


01_純潔01.「純潔」南 沙織(1972)
作詞:有馬三恵子 作曲・編曲:筒美京平
日本のアイドル歌手第1号に位置づけられるシンシアの4thシングル。オリコン3位まで上昇し、「17才」に次ぐセールスを記録しました。アイドルらしからぬ刺激的なタイトルは、当時、週刊誌のスキャンダル報道に悩まされていた彼女の状況を逆手にとって、担当プロデューサーだった酒井政利が考案。嵐の夜に初めて彼と結ばれる少女の恋心をロック調のビートに乗せて歌わせています。その後も多くのアイドルに際どい詞を歌わせることで成功に導いた酒井は《喪失歌謡》の元祖仕掛け人といえるでしょう。

02_小指の想い出BGM.「小指の想い出」伊東ゆかり(1967)
作詞:有馬三恵子 作曲:鈴木 淳 編曲:森岡賢一郎
11歳でレコードデビューを果たし、60年代前半は“ナベプロ三人娘”の1人として活躍していた伊東が20歳を迎える直前にリリースしたアダルトポップス。もともとキュートなカバーポップスで人気を集めていた彼女ですが、オリジナル曲である本作の大ヒットで大人の歌手への脱皮に成功しました。当時の子供たちは「なぜ小指を噛むのか?」と不思議に思ったものですが、少女歌手が大人になるための通過儀礼という意味では《喪失歌謡》のプロトタイプといえる作品です。

03_なみだの操BGM.「なみだの操」殿様キングス(1973)
作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫 編曲:藤田はじめ
《喪失歌謡》は少女歌手だけのものではありません。70年代前半に歌謡界を席巻したド演歌からも、宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」(72年)や本作など、“愛しいあなたにささげた私を捨てないで”と歌うミリオンヒットが生まれました。なおコミックバンド出身の彼らはオリコン1位を9週獲得した本作で紅白歌合戦にも初出場。その後も「夫婦鏡」(74年)や「恋は紅いバラ」(76年)などのヒットを放っています。

04_青い果実02.「青い果実」山口百恵(1973)
作詞:千家和也 作曲・編曲:都倉俊一
まだローティーンの少女にロストバージンを歌わせる。この過激な戦略が見事に当たり、オリコン9位のヒットとなった山口百恵の2ndシングルです。プロデューサーは南 沙織や郷ひろみを手がけていた酒井政利。作詞は76年の「愛に走って」まで12作連続でシングルA面を手がけた千家和也で、以後、翌年の「ひと夏の経験」まで、“性典路線”と呼ばれる作品が続きました。なかにし礼に師事し、71年に小山ルミ「さすらいのギター」で作詞家デビューした千家は70年代前半の《喪失歌謡》ブームを作ったキーマンといえます。

05_ときめき03.「ときめき」麻丘めぐみ(1974)
作詞:千家和也 作曲・編曲:筒美京平
72年のデビュー曲「芽ばえ」以来、筒美京平とのコンビで数々のTOP10ヒットを麻丘にもたらした千家は7thシングルとなる本作で《喪失歌謡》を初提供。リズミカルでポップな曲調ながら、それまでのメルヘンチックな路線とは一線を画す直接的な表現で、オリコン6位のヒットを記録しました。「男の子にすれば何でもないことが、女の子にすれば一番大切よ」と歌うくだりは、この5ヶ月後にリリースされる山口百恵「ひと夏の経験」に通じるものがあります。

06_東京娘BGM.「東京娘」桜たまこ(1976)
作詞:石坂まさを 作曲:杉本真人 編曲:京 建輔
藤 圭子を世に出した石坂まさをの門下生として76年に15歳でデビューした桜の2ndシングル。61年に大ヒットした渡辺マリの「東京ドドンパ娘」を思わせる陽気なリズムに、少女売春をイメージさせる危なげな詞を乗せ、オリコン24位をマークしました。桜は次作「おじさんルンバ」でも中年男性との初体験をあっけらかんと歌っています。

07_少女は大人になりました04. 「少女は大人になりました」牧村三枝子(1972)
作詞:石橋正子 作曲・編曲:竹村次郎
北海道・美唄市出身の牧村は15歳で上京し、18歳の時に本作でデビュー。炭鉱労働者の家庭で育った自らの生い立ちを匂わせるような重い詞は、やはり18歳でデビューした藤圭子の私小説的な薄幸路線に通じるものがあり、オリコン30位のヒットを記録しました。高度経済成長の一方で貧しさも存在した当時、歌謡曲の世界では本作や、北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」(70年)のような、少女の暗い影を歌った作品も人々の心をとらえていたのです。

08_夜の訪問者05.「夜の訪問者」小川順子(1975)
作詞:石坂まさを 作曲:城賀イサム 編曲:伊藤雪彦
岩崎宏美や太田裕美と並んで、レコード大賞新人賞を受賞した小川順子のデビューシングル。“第2の藤 圭子”という評価も受けた持ち前の歌唱力でオリコン44位のヒットになりました。リリース当時、彼女は18歳でしたが、19歳の少女が不倫相手と思しき相手を待ちわびるさまを歌った本作は《愛人歌謡》の要素も備えています。

09_少女ABGM.「少女A」中森明菜(1982)
作詞:売野雅勇 作曲:芹澤廣明 編曲:萩田光雄
オリコン5位まで上昇し、中森明菜の出世作となった2ndシングル。作詞を手がけた売野雅勇にとっても初のTOP10ヒットとなり、以後、歌謡界には“売野ブーム”が到来しました。歌う中森はあまり乗り気ではなかったと伝えられていますが、「きっかけくらいはこっちで作ってあげる」と女性側から挑発する歌詞は80年代ならでは特徴といえましょう。

10_脱・プラトニック106.「脱・プラトニック」桑田靖子(1983)
作詞:売野雅勇 作曲:芹澤廣明 編曲:萩田光雄
「少女A」のヒットで注目された売野のもとにはオファーが相次ぎ、中森以降も伊藤麻衣子「夢の入口」や芹沢直美「Virgin番外地」など、様々な女性アイドルに《喪失歌謡》を提供していきます。東芝タレントスカウトキャラバンで優勝した実力派、桑田靖子のデビュー曲もそのひとつ。本作はタイトルが示す通り、16歳ながら「初めての日」を回想する過激な内容で、オリコン50位のスマッシュヒットとなりました。

11_偽名07.「偽名」加藤香子(1984)
作詞:売野雅勇 作曲:芹澤廣明 編曲:若草 恵
あまたのアイドルを輩出した“ミスマガジン”の第2回優勝者として芸能界入りした加藤香子のデビュー曲。中森明菜と同じレコード会社だったこともあり、ポスト明菜として、売野×芹澤のゴールデンコンビによる不良少女系マイナー歌謡路線が踏襲されました。「偽名言って大胆したい」という挑発的な歌詞が話題を呼びましたが、オリコンでは最高83位にとどまりました。

12_E気持BGM.「E気持」沖田浩之(1981)
作詞:阿木燿子 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
女性アイドルほど多くはありませんが、男性アイドルが歌う《喪失歌謡》もそれなりに存在します。特に酒井政利がプロデュースした男性アイドルは「年齢に応じて歌の世界も成長させていく」という同氏の制作方針もあって、フォーリーブスが「夏のふれあい」(72年)、郷ひろみが「わるい誘惑」(74年)、川崎麻世が「青いシンボル」(77年)で少年の初体験を歌唱。80年代にはやはり酒井氏が手がけた沖田浩之が本作でオリコン8位のヒットを記録しています。

13_半分少女08.「半分少女」小泉今日子(1983)
作詞:橋本 淳 作曲:筒美京平 編曲:川村栄二
前作「まっ赤な女の子」でブレイクした小泉今日子の6thシングル。60年代から70年代前半にかけてヒットを連発した橋本×筒美コンビによるノスタルジックなナンバーですが、歌詞を聴くと実は《喪失歌謡》であることが分かります。とはいえ、陽性のキャラクターで人気を集めたキョンキョンらしく、いやらしさは皆無。オリコンでは最高4位をマークしました。
14_Pearl-White Eve09.「Pearl-White Eve」松田聖子(1987)
作詞:松本 隆 作曲:大江千里 編曲:井上 艦
エンディングはクリスマスシーズンに合わせて本作をセレクトしました。結婚・出産を経て、87年に活動を再開した松田聖子の24thシングルで、22作目のオリコン1位を獲得。一度は恋愛を諦めた女性が再び心を開き、イヴに彼と結ばれる様子を歌った本作は、セカンド・バージンをテーマにした《喪失歌謡》といえるでしょう。

《イントロクイズ解答》

21_いとしのロビン・フッドさま

 

 

 

 

 

「いとしのロビン・フッドさま」榊原郁恵

22_わるい誘惑

 

 

 

 

 

「わるい誘惑」郷ひろみ

23_デジタル・ナイト・ララバイ1

 

 

 

 

 

「デジタル・ナイト・ララバイ」石坂智子

24_これがそうなのね仔猫ちゃん

 

 

 

 

 

「これがそうなのね仔猫ちゃん」ジューシィ・フルーツ

25_こわれる

 

 

 

 

 

「こわれる」小川範子

 

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