トップページ コラム/レビュー チェリーの歌謡曲ワンダーランド 独占!まにあの時間 その①「ハーフなム・ス・メたち~」

独占!まにあの時間 その①「ハーフなム・ス・メたち~」

独占!まにあの時間 その①「ハーフなム・ス・メたち~」

文/チェリー 

NppHsKCWコラム本編に引き続く、マニアな方々向けのコーナー「独占!まにあの時間」。
毎度このような形で本編に関連する曲や歌手などを、本編とセットのダブルバーガー形式で紹介していきます。
今回の特集はハーフなム・ス・メたちと題し、昭和のあの頃に活躍したハーフ歌手たちにズームイン。付録として「ハーフなオ・ト・コたち」、そして「番外編」も追加。更にふか~く知ってみたい方は、ここの扉をググっとコジ開けてみてくださいマセ。それではど~ぞ!

その①「ハーフなム・ス・メたち~」

 

golden_shadow

「ハーレム・ノック・アウト」
ゴールデンハーフ・スペシャル(1979年)
作詞:伊藤アキラ 作・編曲:中村弘明

本家、ゴールデン・ハーフの妹分。略してGHS…と言ったトコロで、余計に分かんなくなる恐れも?ユニット名に”スペシャル”をあえて付けてみたのは、ジャニーズのJJSからヒントを得たものなのか。はたまた、ご本家を上回るタマであるとのお強い自信の表れだったのか?紹介の盤はシングル第6弾だが、ジャケットから一目瞭然の中東系。レコードジャケットには「恋の病のウィッチ・ドクター(女魔法使い)魅惑の必殺K・Oパンチ!!」と記載が。曲のモチーフをわざわざジャケおもて面に印刷するくらいだもの、ソレ相当に売る気マンマンだったに違いない。”アリババ バリバリ アラブでアルバイト”"かきむしる青春”。その青春とやらは一体どんなもんなのか?一度経験しとうゴザイマシタ…もう時すでに遅しだが。それにしても、デビューからたった2年と7ヶ月で”キューティー・パイ”なる”恋のチアガール”がアラブの魔女へと変貌してしまうあたりが、アイドル歌謡の空恐ろしいところか。これの強制執行に応えた3人のプロ根性には、素直に拍手を送りたい。構成要員が4→3と減ったのはご本家追従だとしても、コレはあえてマネる必要があったのか…ナゾは深まるばかり。

tommy_shadow「倖せの黄色いティッシュ」
トミー・ジュン(1982年)
作詞・曲:J.Lemon, M.Bruno, K.Bruno 編曲:M.Haward Jr

上記ユニット解散後のソロデビュー。しかし、すっかり忘れさった頃のお出ましだったため、本人だと見分けがつくまでえらく時間を要したもの。これだけ長いブランクを経て漕ぎ着けたソロデビューなんだもの、彼女の並々ならぬ野望を感じさせるには十分か。トミー嬢はGHS時代から、なにかしでかしてくださりそうな気配がムンムン。紹介の盤は、ベンチャーズ風シーサイド歌謡に、何度聴いても意味が分かんない歌詞をのっけたモノ。なんといっても、曲のタイトルにティッシュ…ハンカチではゴザイマセンよ。男性リスナーに妄想を抱かせるには十分すぎるほどの小道具?なにせ人生におけるソレ消費量はオトコの方が多いはずでアリマシテ、おそらくは。というか、ソレとコレとは一切関係ない気もするのだが。どこか製紙企業のコマソンにでもなればヒットが見込めたのかも?

sherry_shadow「いとしのミスター・レイン」
シェリー(1977年)
作詞:千家和也 作・編曲:水谷公生 弦編曲:羽田健太郎

父がフランス系という、70年代に活躍したハーフ美少女。シェリーと言えば、ブラウン管時代のテレビにて3D採用(とても原始的なモノ)の画期的テレビドラマ、「オズの魔法使い」でのドロシー役が鮮烈という方も多いのでは?他にもバラエティ番組や司会業等でマルチに活躍した、元祖バラドルとも呼べる方。そんな彼女がしっぽり唄うは、とある雨の日のめぐり逢い。雨に濡れた日暮れ、名も告げず傘を貸してくれたあのひとが気になっちゃう。ハリのある歌声と、ロッカバラードのリズムが見事に融合するオールディーズ歌謡。そのひとの名は、傘に書かれていたKとS…それしか知らないの。たいそうロマンチックにまとめたものの、よくよく考えたらコレは作詞家のイニシャルでは?他にもパンチあふれるデビュー曲「甘い経験」(1974年)、モータウンサウンドで突いてくるロストヴァージン歌謡の傑作「やさしく奪って」(1975年)、宇崎竜童作曲「ひと夏の前に」(1977年)など、シェリーの残した作品は粒ぞろい。

rumi_shadow「ブルー・ジーン」
小山ルミ(1972年)
作詞:橋本淳 作曲:筒美京平 編曲:高田弘

1968年「はじめてのデート」で初々しくデビューした小山ルミは、アイルランド人の父を持つというハーフ美女。モデルやマスコットガールを経て歌手デビューと相成ったものの、しばらくは芽が出ず仕舞い。しかし、ルミは挑戦する姿勢を一切崩さなかった!サイケっぽさ全開の「あなたに負けたの」、ヘンテコリンに迫りくる「グットがまんして!!」(共に1970年)もソソる。その後、ようやくヒットチャートに躍り出たのが1971年。「さすらいのギター」で20万枚超えを達成。紹介の盤はそこから2作品後のリリースで、いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」のコンビが手がけた作品。しかし、チャート上ではまたもや奮わず元の鞘。パンチあふれるメロディーに、ファズギターが唸る傑作なのであなどるなかれ。”あの声”に聞こえなくもない?悶絶っぽい声色と、しゃくりあげを始めとする各種テクニックで迫りくる、悩殺必至の1枚。それにしても彼女は器用で歌が上手い!

matsuo_shadow「月影のメロディー」
松尾ジーナ(1972年)
作詞:阿久悠 作曲:森田公一 編曲:川口真

どこか足らなげな雰囲気をウリにして?「気ままなジーナ」という曲でデビューを飾ったのが1972年のこと。これも数ある自己紹介ソングのひとつと言えようか。持って生まれた美貌を武器に、TVコマーシャルやドラマなどで愛嬌を振りまいた。そんな彼女がデビュー曲での好評を受け、ついつい吹き込んでしまった?とおぼしき盤が「月影のメロディー」。しかし、コレがなかなかどうしての傑作だから聴き逃すべからず。デビュー曲ではノベルティ色であふれかえらんばかりだったが、本作ではポップ度が高くなり、よりまとまり感のある作風に。♪会いにきってヘぇ~と、絶妙に力を抜く歌唱テクニックに彼女の底ヂカラを見よ!気ままに姿をくらましたわけではなかろうが、ニッポン芸能界からは早々にリタイヤ。

linda_shadow「トンボのメガネ」
山本リンダ(1970年)
作詞・曲:遠藤実 編曲:牧野昭一

ハーフ歌手=リンダという認識が一般的と思われるが、実際のところはアメリカ人の父と日本人の血が混じるハーフの母親から産まれたmore thanハーフ。彼女のチャームポイントは、甘味の効きまくる砂糖菓子のような声。しかし、後の高飛車ヒットソング群で聴くことができるような声色も操れるという離れ業の持ち主。紹介の盤は、ミノルフォンレコードから発売の中では末期にあたる16作目。1966年発売のデビュー曲「こまっちゃうナ」以降、出しても出しても結果が出なかった頃の曲。音頭のリズム+あまったるさ極まる声+しゃくりあげという、三位一体の奇天烈コラボ。おそらくは彼女くらいしかこなせないであろう、職人技の域に達した歌声か。タイトルからはフィンガー5のアレを思い起こさせるが、それよりもウンと早くの「トンボのメガネ」。遠藤実センセの先見の明には、改めて感服。結果が出ようが出まいが、そのセンスには脱帽である。また、ザ・しゃくりあげという称号を与えたいほどの歌声は、後にゾロゾロ出現した”かわい子ちゃん歌手たち”の手本となったに違いない。リンダちゃんのどこまでやるの?素晴らしすぎて…アシュルシュビデュワしびれちゃう!

helen_shadow「キュン!と片想い」
ヘレン笹野(1981年)
作詞:杉山政美 作・編曲:木森敏之

父がアメリカ軍人で、神奈川県の座間キャンプ内で暮らしていたというヘレン。”音楽天使”というキャッチフレーズと共に、1981年「キュン!と片想い」で歌手デビュー。その後は歌のみならず、司会、タレント、女優など八面六臂のご活躍。このあたりの活動範囲は前述のシェリー同様と言える。フェンスの向こうのかわい子ちゃんといった立ち位置は、米軍キャンプでのお生活そのまんま。アソコは四方八方柵だらけ…他国の基地なんだから当たり前だけんど。ハーフはオールディーズをカバーする!という、ゴールデン・ハーフから引き継いだ伝統を守り?アルバム内でお披露目。シングル第3弾「初恋同志」は小川ミキ「燃える渚」のカバー。どこかラムちゃんを彷彿させた見た目で、ソレ絡みのお歌(「心細いな」|1982年)をぷちヒットに導いた功績もあり。極度のハイトーンから繰り出されるお声に賛否は分かれそう。

florence_shadow「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」
フローレンス芳賀(1983年)
作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:飛澤宏元

宮川一朗太と共演の青春ドラマ「青い瞳の聖ライフ」で、主人公のベスに扮したフローレンス。父がドイツ系、母が日本人というハーフなム・ス・メ。学生の頃、訪日した際にスカウトされての芸能界入り。母が日本人のため、ある程度の日本語も話せた模様だが、それらが独特に発音されるものであったため、未だに語り草になっているといふ。ドラマ内で何度も叫んだセリフ「ユぅータロぉ~」が、耳にコビりついて離れない。紹介の盤は、岡崎友紀のヒット曲をカバーしたもの。愛嬌のあるキュートな顔立ちが魅力だったが、当時の芸能界はモンゴロイド面(ヅラ)の全盛期。時流にうまく乗りきれないまま、ニッポンにさようなら。

 

【番外編】
show_shadow「甘い罠(Honey Trap)」
ザ・シュークリーム(1972年)
作詞:千家和也 作曲:加瀬邦彦 編曲:田辺信一

ゴールデン・ハーフと同じく、渡辺プロダクション所属の4人ム・ス・メ。番外編として扱うのは、4人のメンバーの内、ハーフなのはひとりだけという理由からで完全なるネジこみ。清水クーコ(親谷邦子)、北原由紀、甲山暁美、ホーン・ユキという構成で、ホーンのみがハーフ。なぜゆえにひとりだけハーフムスメが投入されたのかナゾでもあるのだが、それはさておき彼女たちが残した楽曲はイケてる。紹介の盤は、ザ・ワイルドワンズの加瀬邦彦が作曲した「甘い罠」。ポップ度の高い作風は加瀬氏の十八番(オハコ)だったが、得意の半音使いで胸キュン度が天を突く。冒頭のノンノン節は石野真子「失恋記念日」?いえいえ、こちらが先人なのは言うまでもゴザイマセン。クーコは後にクーコとエンジェルスを結成、その後もタレントとして活躍したが30代で天命を全う。あのねのね、清水国明の妻としてテレビにもよく出ていた。北原は演歌歌手として「かしこい女じゃないけれど」などをヒットさせ、ホーンは俳優の入川保則と…人生いろいろありましたワ。

【ハーフなオ・ト・コたち】

黒沢浩、リューベン&カンパニー、ローリィ桐島

hakf_otokoオトコハーフだって負けてないぜ!そんな鼻息の荒さを感じさせる、濃ゆめのお顔で迫りくるお三方。キャロライン洋子の実兄、黒沢浩の「JACK&BETTY」(1977年)はオールディーズ歌謡風味。他にも、ビキニの隙間のサクランボで挑発するオンナ(はたまたオトコ?)がテーマの「セクシーポパイ」なる迷曲も存在。
リューベンは、Charのバックバンドでドラム叩きのナイスガイ。畑中葉子嬢と同じ高校出身というエピソードが話題の的に。自身を中心に据えたバンド、リューベン&カンパニーを結成してからも、太鼓とお歌で二足のわらじ。が、故に歌声が不安定になる場面もチラホラだったか?「ドロップアウト」や「聖少女」など、ディスコ歌謡の傑作を多く輩出。
ローリィ桐島(現:ローランド桐島)は、作家・桐島洋子を母に持つアメリカ人とのハーフ美少年(実姉は女優の桐島かれん)。そんな彼もティーン時代にゃドサクサ紛れ?の歌手活動を。ハーフ男子としてはよくあるマザーもの(参考:羽賀健二のデビュー盤「街角ロンリー・レイン」|1982年)、「マザー、愛さないで」(1981年)を唄ったが、アイドル歌手としては花開かず。変声期真っ只中の活動だったためか?声がひっくりかえ~ったのヨ、しょちゅう。後に政界進出を企ててらっしゃったのも、キオクに新しいトコロか。

♪ひゃめてヘぇ~のためいきまじり歌唱が色っぽかった辺見マリ「経験」は言うまでもなく。この他にもハーフ歌手はゾロゾロいらっしゃる。泉アキ「夕焼けのあいつ」(1968年)は、絶叫歌謡というジャンルを確立。「逢えば好き好き」のマーガレットは、寺内タケシとのコラボでノリノリガレージロックを。初代リカちゃん人形のモデルになったという高見エミリーの「青い森の日曜日」(1972年)もお聴き逃しなきよう。現在は鳩山一族の構成員に。父がニュージーランド人という純アリスは、「アザミの花」(1973年)で清らかな歌声を。スタイル抜群の小畑ミキは「恋のシーサイド」(1968年)などのオールディーズ歌謡路線が秀逸か。
雪村いづみの実娘、朝比奈マリアはディスコブームに乗っかりついでの歌手デビュー。タイトルはそのものズバリの「ディスコ・ギャル」(1979年)とキたもんだ。黒人とのハーフ、青山ミチはパンチあふれるソウルフルな歌声が魅力。「亜麻色の髪の乙女」のオリジナルは、なにを隠そうミチ作品(「風吹く丘で」|1966年)。しかし、色々あってポシャることに。彼女のヒット曲「叱らないで」(1968年)は自身の反省ソングのようにも聴こえ泣けてくる~。「恋のロケーション」(1977年)で清純派シンガーとしてデビューしたステファニーは、後にとんでもない魅力を放つロック姐として、まさかのShow-yaボーカルにヘンシ~ン。
丹下キヨ子の三女でブラジル人とのハーフ、小山セリノは「ボーイハント’78」でキュートなお色気をふりまいたし、オーストラリア出身の双子ハーフはアイリーン&エリカ…と、こんな具合で枚挙にいとまがない。またいつぞえの機会にでもハーフ歌手の紹介ができることを祈りながら、この辺りでペンを置かせていただくことにする。

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チェリーの歌謡曲ワンダーランド 記事一覧

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プロフィール

icon_sr70&80年代アイドル、歌謡曲、ピンク・レディー、昭和ポップカルチャー好き。高円寺・円盤「鈴木啓之のミュージックガーデン」、FMおだわら「ラジオ歌謡選抜」にゲスト出演。「歌謡曲リミテッド」でコラム連載中。ブログ「昭和TVワンダーランド」の運営者です。

ハンドル名:チェリー(CHERRY★CREEK)
好きな音楽:70-80年代アイドル歌謡全般、歌謡曲、米英50-60sティーンポップ、古き良き時代のジャズボーカル、フリッパーズギターなど
好きな歌手:1960-80年代の日本で唄っていた、歌謡曲の歌手全員
好きなもの:昭和にまつわるものすべて、音楽鑑賞、レコードや昭和アイドルグッズ集め、食べ歩き、パソコン、エッセイを書くこと、昼寝
よろしくないクセ:哀愁のオリエント急行に、たま~に乗ってしまうこと 笑)
得意なもの:トーク(特に70-80年代アイドルや歌謡曲について)、丁寧な言葉で話すこと、グラフィックデザイン、文章を書くこと、英会話、料理
出身地:東京、日本
国籍:日本
生息地:オーストラリアのメルボルン(永住権)、たまに神奈川県
経歴:2015年12月「鈴木啓之のミュージックガーデン」(於:高円寺 円盤)、2016年1月FMおだわら「ラジオ歌謡選抜」第132回放送分「昭和アイドル・ワンダーランド」(ゲスト)、2016年5月 歌謡曲情報サイト「歌謡曲リミテッド」 にてコラム連載開始
「80年代アイドル☆ピンク・レディー☆昭和TVワンダーランド」
http://blogs.yahoo.co.jp/cherrycreekjp

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