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新曲「コスメティック・サイレン」をリリースした星屑スキャットに聴く

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

新曲「コスメティック・サイレン」をリリースした
星屑スキャットに聴く

取材/竹部吉晃 取材・文/鈴木啓之 公開日:2013.05.31

待望の2ndシングルはスリリングでファッショナブルなサウンド!
歌謡界を揺るがす話題のユニット、星屑スキャットが約1年ぶりに新曲をリリース。前作に続き、中塚武ワークスによる洗練されたサウンドに、3人の華麗なコーラスが映える傑作に仕上がっている。いよいよ紅白歌合戦への出場!?も視野に入ってきた彼女たちに、セカンドシングルのリリース直前、3人揃ってのインタビューを敢行した。

--新曲「コスメティック・サイレン」は星屑スキャットさんご自身の作詞ですね。

ミッツ:前のシングル(「マグネット・ジョーに気をつけろ」)に入っていた「星屑スキャットのテーマ」も自分たちで書いちゃったので、今回も。そのほうが早いじゃないですか(笑)。特に強い意思があったわけじゃなく自然とそうなりました。誰かが書くんだったら自分たちで書いたほうがいい、っていうのはあるかも。

--どういう形でお三方で詞を構築されるんでしょう。

ミッツ:それは皆さんに訊かれます。気になるんですかね(笑)。逆にどういう感じを想像します?

--皆さんそれぞれに気になる言葉とかを出し合って組み立てていかれるのかな、とか。

メイリー:まさにそうですよ(笑)。

和恵:たしかに作詞家って普通はひとりですもんね。3人で書くって何なんだろうって思いますよね。

ミッツ:まずはタイトルありきでした。"コスメティック"っていうキーワードがまずあって、いろんな言葉をはめていったんです。周りの人に「これどう?」なんて聞きながら。季節とかが限定されるのも嫌だったんです。もっと大きな意味を持ちつつ、みんなが知っているカタカナ言葉でパンチがあるものって何かなというので、最終的に"サイレン"になった。そこで詞の世界が膨らませようということで、作曲の中塚さんと一緒に、詞と曲とを同時に作っていったんです。メロディに言葉をあてはめながら。

メイリー:昔の歌謡曲だと作家の先生がいらして、パフォーマーの傾向に則って曲も作られていたと思いますけど、私たちはカバーやライブの曲決めにしても今までほとんど自分たちでやってきたので、誰かから与えられるのを待っているという意識があまりないんです。作詞や作曲はもちろん技術が必要ですけど、曲はお願いするとしても、作詞を自分たちでというのは本当に自然な流れだったんです。

--作曲の中塚武さんにこんな感じの曲でと直接イメージを伝えられたりするわけですか。

ミッツ:それこそ電話とかメールでやりとりしながらっていう感じですね。私は「メロン娘とオレンジ娘」(※昨年リリースされたソロ曲)の時に曲をいただいたのが初めての経験で、それに乗っかるみたいなことがとても新鮮に感じましたね。とまどいつつも、平尾(昌晃)先生に「歌えー」って言われて歌ったところがあったので(笑)。それはいい経験になりましたけど、今回のようなやり方のほうがやっぱりしっくりくるのかもしれません。今まで周りに人がいなかった環境ということもあるし、だいたい私たちに四の五の指図するのもみんな嫌でしょう? むしろ関わりたくないと思われることが多かったですから(笑)。

メイリー:可愛げないしね(笑)。「ハイ、先生!」みたいなのがないし。

ミッツ:だからいつの間にか自分たちで出来ることは自分たちでやりましょうと。化粧にしてもメイクさんもいませんしね。3人の世界がガチガチに固まってるから入り込めないって、とあるスタッフに言われちゃって、ハッとしたことがあったんですけど。

--曲に関しては中塚さんに完全にお任せという感じで?

ミッツ:長年のお付き合いで信頼していますからね、中塚さんは。私たちが面白がることを一緒になって面白がってくれるので、テレパシーじゃないけれど、以心伝心みたいなところがあって。デビューシングル以前にもありますし、自分のソロでもアレンジしてもらった曲があります。私たちの葛藤を結構古くから見てきてくれている人なので、ウチらがどういう思いで何が好きなのかをちゃんとわかっている。それ以上に何が嫌いかをわかってくれている(笑)。そっちのほうが大事ですね。ウチらは「これやりたい」よりも「これはイヤだ」のほうが強いですから。

コスメティック・サイレン

星屑スキャット、待望の2ndシングル!
『コスメティック・サイレン』
2013年5月22日発売

日本コロムビア
COCA-16722 / ¥1,300(税込)

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【収録曲】
1.コスメティック・サイレン
作詩:星屑スキャット 作曲・編曲:中塚武
2.ニュースな夜
作詩:星屑スキャット 作曲・編曲:中塚武
<ボーナス・トラック>
3.青い珊瑚礁
作詩:三浦徳子 作曲:小田裕一郎 編曲:中塚武
4.コスメティック・サイレン (Instrumental)
5.ニュースな夜 (Instrumental)
6.青い珊瑚礁 (Instrumental)

楽曲の試聴はこちら

--前のシングルに入っている「星屑スキャットのテーマ」も異常にカッコいいですよね。

ミッツ:ホントにいつも酒飲みながら、誰彼の曲がいいとか、フルオーケストラのあんな世界がカッコいいなんてことをずっと話してきたので、いざ、「ああいうのが欲しいの、書いて!」ってお願いしたら、もうスッと出来てきましたね。

--歌い手であると同時に、お三方がプロデューサーであると感じます。

ミッツ:たまには人の意見を聞いた方がいいと思うんだけど(笑)。それはすごく思うんですよ。だけどなかなか、ね。

和恵:ここまで10年近くこのスタイルでやってきましたからね。他人の敷いてくれるレールに乗れるかどうか、色に染まれるかどうかっていうことが、自分たちが乗り越えなければいけない課題かもしれませんね。

ミッツ:プロモーションビデオは監督さんにすべてお任せして、自分たちは言われた通りに動くだけだったので、どういうものが出来てくるかは全然わからなかった。

メイリー:そういうものも徐々にやらないとね。

ミッツ:自分たちを躾けてるんだよね(笑)。

--「コスメティック・サイレン」もそうですが、カップリングの「ニュースの夜」はさらにゴージャス感にあふれた曲ですね。

ミッツ:これは中塚さんが、私たちに難解なメロディとコーラスの曲を歌わせたいというのがあって……。ジェットコースターみたいな曲を。あのアレンジとかサウンドの感じは中塚さんの最も得意とするところですよね。"ザ・中塚ワールド"。その中で3人の声がたたみかけるように重なったり、追いかけっこするのをやりたいねってことで出来てきた曲ですね。

--映画のエンディングに合うような壮大さを感じました。エンドロールのイメージが。

ミッツ:いろんなシチュエーションが思い浮かぶっていうのは、私たちの音楽を歌謡曲というキーワードで解釈するのであれば、歌謡曲的なのかもしれない。小さな劇場の舞台の上でこれを歌って踊るのを想像する方もいるし、もっと大きな、人がたくさんいるところでというのを想像する方もいるでしょうし。聞き手の解釈によってどのシチュエーションにもあてはまるものが歌謡曲だと私は思っているんですよ。サウンドとかじゃないと思う。

メイリー:阿久悠さんも、「聞く耳を持たない人の耳に一瞬で入り込んで、その人の心を掴むのが歌謡曲だ」ってことを仰ってましたね。私たちも今まで聴いてくれていた人たちだけじゃない、私たちのことを知らない人の前で歌うことが多くなって。この「コスメティック・サイレン」でぜひ皆さんの心を掴みたいと思っているんですけれど。

和恵:そっと忍び込みたいと思っています(笑)。

--今回特にハーモニーの深さ、広がりを感じたのですが、日頃からコーラスを常に合わせられたりされているんでしょうか。

和恵:ライブとか、発表する場の前にはもちろん練習しますけど、普段から鍛えたりとかはやっていません。ただ、何となくハモり好きの延長でやっていた昔の頃と比べると、中塚さんが書いてくださった曲の複雑なアレンジやメロディにウチらも触発されてチャレンジしてゆくみたいな作業の中で、少しは修練されたのかな、っていう気はしますけど。

ミッツ:誰に習ったとかもないしね。誰も手を差し伸べてくれなかったから(笑)。

和恵:あたしたちに何か可能性を感じて拾ってくれたのはあの人だけですよ(傍らにいる担当の日本コロムビアのプロデューサー衛藤氏を指差しながら)。

メイリー:前の「マグネット・ジョーに気をつけろ」の時もハモリに苦労したところはあったんですけど、「コスメティック・サイレン」を歌ってから改めて聴いてみると、今回の方がむずかしい部分が多くなっているんだなと。よりハーモニーに拘りを持って作られているんだということに気づかされたりしましたね。

--レコーディングにはどのくらい時間をかけられたんでしょうか。

ミッツ:ボーカル・ディレクションもプロデューサーも誰もいないんですよ。現場には中塚さんも来ないですし。歌に関しては絶対誰の意見も入れないんで、もう3人だけ(笑)。それでひとりずつブースに入って録るんです。その間はあとの2人がディレクターになって「今の音ハズれてます」とか「ここ、もっと感情こめて歌ってみたら」とか言い合って。それでお互い仕返ししたりするんです。自分がさんざん言われた後にOKテイクが出たら、どんないじわるしてやろうかなっていう(笑)。そのうちにOKの感覚がわからなくなってきて。そうするとあの人(衛藤プロデューサーを指差しながら)が「これ以上やるとスタジオ代が……」って言い出すんで、「じゃあ、これくらいにしといてやるか」と(笑)。今はそれでやっていますけど、果たしていいのかどうか。メンバー以外のプロデューサーに「音がハズれてるんだよ、ちゃんと歌えよ」とか言われたら泣いちゃうかも。

メイリー:私、そういうの大好きなの(笑)。そんなこと言われたらすごく上手に歌うと思うよ。

和恵:従順になるのよね。

--そういうダメ出しをしてくれる第三者がもしかすると必要なのかもしれませんね。

ミッツ:そうなのかもしれない、そろそろね。でも私たちがこんなだから余程の覚悟をしてもらわないと(笑)。結局今はひとつのシングル作るにしても充分すぎるくらいの時間がかけられるんですよ。これがすごい売れっ子になって、それこそ3ヶ月に1枚とかCDをリリースしなきゃならなくなったらそんなこと言っていられないじゃない? 2時間なら2時間で録って、すぐLAへ行かなくちゃならないじゃないですか。

メイリー:すごい売れたわね(一同爆笑)。

ミッツ:そうすると全盛期の(松田)聖子ちゃんみたいな味わいが出てくるのよ。体調とかもレコーディングの時が常に万全ではないみたいな。それで何か訊かれても「(忙しすぎて)憶えてない」って言いたいよね(笑)。

和恵:「忘れちゃった。これあたし歌ってるの?」とか。

ミッツ:そういうことを必ず言うんですよ、スターは。

--松田聖子さんといえば、今回のシングルでは「青い珊瑚礁」をカヴァーされていますね。

ミッツ:これは一種の商法なんでしょうけど(笑)。これは結構悩みましたね。ビジネスライクに考えていちばん有効な曲で、意表を突きつつもしっくりしてという。いろんなことを踏まえて選曲したつもりです。ただやはり松田聖子さんの曲となると、いざ歌う側の立場として曲に向き合った時、歌えなくなっちゃいましたね。

和恵:どうしよう、どうしよう、ってなったよね。取り返しのつかないことをしているんじゃないかっていう。でもあるところからそれが吹っ切れて、現場では急遽コーラスを入れたりもしましたけれど。

ミッツ:中塚さんもこれは面白がってくれたみたいですね。

--こうなると、次はアルバムにも期待が高まります。

ミッツ:もしアルバムが出来たら、どういう位置に今までのどの曲を置いたらいいだろうとか、コンサートもこの会場でやった時はこういう演出でこういうライティングでとか。そういうことが徐々に実現していったらいいですよね。

和恵:今、ミュージシャンは自分でプロデュースして音楽を作ることも多いですけど、いろんなプロデュースの仕方があるとして、私たちの場合は、歌謡曲が好きだというバックグラウンドを持っているので、往年の歌謡曲はなぜヒットしたか、どうすればヒットするのかということを音楽的に噛み砕いた上で、そのエッセンスを、自分たちの作っていく音楽に反映させていくのもアリじゃないかと。珍しいタイプかなとは思いますね。

ミッツ:スタイルとか文化とかファッション的な歌謡曲は、もう通り過ぎちゃっている気がしますね。レトロブーム的な昭和歌謡のような範疇では決してない。ただ、そのエッセンスはウチらの中に死ぬまであるので、最先端のサウンドで何かを作ったとしてもにじみ出てくるものだし、それがウチらの個性だし、ほかの人には真似できないものだと思っています。それくらい歌謡曲にはどっぷり浸かっている3人だから。私はね、ある日突然、占い師のように3人のことをバシっと言い当てて、「あれを歌え、これを歌え」っていう人が現れるような気がしてるいの。近い将来。

メイリー:すっごくいいお話(笑)。

星屑スキャット

星屑スキャット

ミッツ・マングローブ、ギャランティーク和恵、メイリー・ムーの3人で2005年に結成された音楽ユニット。新宿2丁目での活動を中心に、全国各地でのイベント出演やコンサート開催を経て、よりエンタテイメント性の高いグループへと成長。時代やジャンル活動を越えた幅広い歌謡曲を、個性豊かな歌声とハーモニーで魅せる唯一無二の世界観にさらなる注目が集まっている。2012年6月にシングル「マグネット・ジョーに気をつけろ」でメジャーデビューを果たした。

公式サイト:
http://gallantica.com/scat.html
「コスメティック・サイレン」特設サイト:
http://columbia.jp/hoshikuzu/
日本コロムビア/星屑スキャット:
http://columbia.jp/artist-info/hoshikuzu/
日本コロムビア/ミッツ・マングローブ:
http://columbia.jp/artist-info/mitz/
日本コロムビア/ギャランティーク和恵:
http://columbia.jp/artist-info/g-kazue/
日本コロムビア/メイリー・ムー:
http://columbia.jp/artist-info/meilimu/

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