トップページ 特集 弘田三枝子 久々の新曲を発表!まもなくデビュー55周年を迎える歌謡曲の歌姫

弘田三枝子 久々の新曲を発表!まもなくデビュー55周年を迎える歌謡曲の歌姫

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

弘田三枝子
久々の新曲を発表!
まもなくデビュー55周年を迎える歌謡曲の歌姫

取材・文/鈴木啓之 公開日:2016.1.18

先頃、32年ぶりとなる新曲「悲しい恋をしてきたの」がリリースされて健在ぶりを示した弘田三枝子が、もうすぐデビュー55周年を迎える。新曲は、昔の恋を懐かしみながらも、今でも切ない恋をしている女性を描いたバラード調の歌謡曲。ボーナス・トラックには代表曲「人形の家」のピアノ・バージョンが収録された注目作である。新たな歌謡曲を歌いたいと自ら志願した結果、レコーディングに至ったという。メモリアル・イヤーを間近に控えた大ヴェテランに、現在の心境やこれからの活動について伺った。

--今回の新曲はDOMMUNE(ライヴストリーミングチャンネル)へのご出演がきっかけで生まれたそうですが。

弘田:まさか実現するとは思わなかったんですけど、その時に歌謡曲が歌えたら嬉しいなっていうお話をしたんですね。それをいろんな方が実現に導いて下さって、本当にいっぱい感謝です。どれだけ感謝しないといけないか。新曲をいただけるというのは32年ぶりで、自分のために楽曲をオーダーして作っていただけるって、歌い手にとってこの上なく感動的なことで、言葉では表せないくらい嬉しかったですね。でも、それがだんだん怖くなってきて。ちゃんと歌えるかしらっていう。期待通りに歌えなかったらどうしようっていうプレッシャーの方が強くなってきちゃって。

--すごいキャリアがあられる弘田さんでもそんなプレッシャーを感じられるというのは意外です。

弘田:その曲は私が初めて歌うわけですから。作詞家・作曲家の方々に御無礼のないようにという気持ちがありまして。でもディレクターの衛藤さんがものすごい努力をして、レコーディング出来る状況を作って下さったので、レコーディングの時にニコッと笑ってもらえたらいいなと思って頑張りました。今回選んでいただいた2曲は本当に素晴らしい曲で、歌うほどに愛おしくなってくるんです。それって不思議ですよね。曲に愛おしさを感じるって初めての感覚なんですよ。それが伝播していって、ほかの曲を歌う時まで愛おしく思えるようになったんです。自分の中で新たな部分が開発されたみたいで。

--今回は新曲に加えて、「人形の家」のピアノアレンジによる新たなヴァージョンも歌われていますね。

弘田:「人形の家」も歌う時にも、今までにないちょっと違う感覚が得られたんです。これまでもの凄い回数歌ってきたはずなのに、不思議でしょ? 愛おしさももちろんあるんですけど、さらにあまりにも難題を課せられてしびれましたね。ジャズ・シャンソン的に、とか言うんですよ。かなり抽象的なので(笑)。そんな風にポーンと投げかけられて、「うん、わかった」と言いながら、心の中では「どうだろう? どうやって歌ったらいいわけ?」っていうクエスチョンが増幅しちゃって。しびれました。凄いこと言うよねって。でも北島直樹さんという天才ピアニストのおかげで、いいインスピレーションをいただいて、新鮮な気持ちで歌うことが出来ました。それまでとはまったく違うアプローチで、これもまた新たな扉を開かせてもらえたんですね。私にとって財産になりました。

--皆さんお馴染みの「人形の家」があり、新曲への興味もさらに倍増するという。

弘田:「悲しい恋をしてきたの」もドラマティックな歌ですけれど、「人形の家」が命を預けるくらいの極限に達するのに対して、これは最後には救われてゆくんですよね。また違うドラマがあるわけで。表現の仕方が「人形の家」の様な絶望感ではなく、やっと最後の幸せをつかんで、これから私たちは生きてゆくんだという希望が込められた歌だから、真逆なんですね。それをどうやって表現するか。自分にとって歌手冥利に尽きる様なやりがいのある歌だと思っています。

--正に弘田さんの様なヴェテランでなければ歌えない曲ではないかと思います。

弘田:とんでもない。私が今回この歌を歌わせてもらって新たに思ったことは、ヴェテランになるのをよそうということなんです。もちろん長いこと歌ってますから、ヴェテランと呼ばれてしまうのは仕方ないですが、ここはあえて新人でいようと思ったんです。新人の頃のいつも新しい気持ちで歌える自分でなければいけないなと。新しい曲をいただいた時に、この曲をどうやって歌おうか、どうやって自分のものにしてゆけるかと取り組むことで、より素晴らしいところへ持っていけるかなぁと考えまして。やっぱり新人の気持ちにならないと、そうした感性が出てこないんじゃないかな。長い間歌っていると、気付かないところでどうしても慣れが出てきちゃうから、常にドキドキしながら、大丈夫かな? と思いながら歌うことにしました。そうじゃなくても、いくつになってもステージではドキドキ緊張してるんです。特に新曲を歌う時はそうなんです。だから慣れちゃいけないと思いながら、人の意見を素直に聴きつつ、レコーディングに臨んだつもりです。歳は結構いってますけど、気持ちは新人でずっと行きたい(笑)。

弘田三枝子 シングル
『悲しい恋をしてきたの』

10月21日発売 ¥1,204+税
日本コロムビア COCA-17059
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<収録曲>
01. 悲しい恋をしてきたの
02. ひいふうみいよう
03. 人形の家(ピアノ・バージョン)※ボーナス・トラック
04. 悲しい恋をしてきたの(オリジナル・カラオケ)
05. ひいふうみいよう(オリジナル・カラオケ)
06. 悲しい恋をしてきたの(半音下げオリジナル・カラオケ)

弘田三枝子 ベストアルバム
『弘田三枝子 グレイテスト・ヒッツ Go Go MICO』

12月16日発売 ¥3,000+税
日本コロムビア COCP-39369-70
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<収録曲>
Disc01
01.人形の家 02.私が死んだら 03.渚のうわさ 04.枯葉のうわさ 05.涙のドライヴ 06.渚の天使 07.燃える手 08.ロダンの肖像 09.できごと 10.バラの革命 11.この大空に捨ててしまおう 12.花の咲く朝 13.蝶の雨 14.マイ・メモリィ15.恋のクンビア 16.夢みる乙女 17.世界の国からこんにちは 18.レオのうた 19.『ドーベルマン刑事』のテーマ 20.悲しい恋をしてきたの 21.人形の家(英語) 22.道

Disc02
01.ショー・タイム 02.砂に消えた涙 03.子供ぢゃないの 04.ヴァケーション 05.渚のデイト 06.想い出の冬休み 07.私のベイビー 08.ナポリは恋人 09.可愛いマリア 10.君に涙とほゝえみを 11.夢みるシャンソン人形 12.そよ風に乗って 13.アイドルを探せ 14.踊り明かそう 15.トゥナイト 16.パフ 17.ロックン・ロール・ララバイ 18.ボビーに首ったけ 19.肩にほほをうずめて 20.落葉のコンチェルト 21.いそしぎ 22.イエスタデイ・ワンス・モア 23.マイ・ウェイ

--レコーディングにはかなり時間をかけられたんでしょうか。

弘田:もう凄かったですね。スパルタでしたよ。合田(道人=作曲者であり、所属事務所の代表)さんが厳しくて、それは鍛えられました。普通だったら注文を受けてから少し時間をいただいて、自分の中で理解出来てから、ハイお願いしますってなるんですけど、合田さんの場合はワーッて仰ってから、ハイ行きますってすぐに。考える暇を与えてくれないんですよ。サイクルが早いからついてゆくのが大変で。現場ではそういうスタイルだったんです。

--それは歌手である弘田さんへの厚い信頼があるからこそではないですか。

弘田:そうなんでしょうか。私は言われたことはすべて受け入れて歌うことをモットーとしてやってきましたけれども、これほどまでに間髪入れずというのは初めての経験でしたから勉強になりましたね。でも反発しないことってことは新人の特権というか、大きくなるためにとても有効な手段ですよ。そこで自分の意見を無理に主張しても歌手としては小さくなってしまうだけで、得することは無いと思うんです。今回もそういう気持ちで取り組みましたから、「悲しい恋をしてきたの」の録音には何時間かかったか判らないですね。本当に気が遠くなるくらい何回も歌いました。

--森雪之丞さんの詞も繊細で素晴らしいものがありますね。

弘田:森さんは普段はシャープな詞を書かれる方でしょうけど、こういう深遠な歌謡曲も書かれるというのはやはり天才ですね。すごくキャパシテイの広い方なんだと思います。この歌のおかげで、私自身は音楽への見地がすごく深まったと思いました。本当にいい経験をさせていただきました。

--もう一曲の「ひいふうみいよう」は、合田さんがそもそも二葉あき子さんに書かれた曲ということですが。

弘田:はい、そうなんです。20年前に私がディナーショーをやる予定だったところに、阪神大震災がありまして、これはディナーショーどころじゃないからチャリティーショーにしましょうっていうことで、いろんな歌手の方にお声掛けしていた中で、合田さんが二葉先生をお連れ下さった。大先輩に対して御無礼のないようにしなければということで臨んだんです。その時に先生がお歌いになられた新曲が「ひいふうみいよう」で、私が聴いたのはその時一回だけでしたけど、すごく感動して印象に残っていたんですね。素晴らしいベルベット・ヴォイスでお歌いになられて。それから20年後に神戸でディナーショーがあって、何気なくその話になった時に合田さんが、「(新曲の)もう一曲はこれね!」と言われたんです。実際に歌ってみたらすごく癒されるし、なんていい歌なんだろうと思いました。不思議なことにこの歌をウチの猫に聴かせると、私の傍に来て寝るんですよ。

--55周年を迎えるにあたって思われるところをお聞かせください。

弘田:改めて思うのは、経験したことが歌を拡げる。常に本番を経験しないとだめですね。小稽古は儀式のようなもので準備に過ぎないんです。リハーサルを重ねた上で、本番で歌うことによって初めてそれが自分のものになってゆく。成就してゆくんですよね。まだ小さい頃にその壁にぶつかって苦しんだ時期があって。何かのきっかけでそこから急に抜けて、次のエリアに入れたことがありました。数年かかりましたけど。レコーディングとライブとではまた違うんですよ。レコーディングは録り直しがきくけど、ライブは1回勝負でまた緊張感が違う。そういった気持ちを常に忘れずに歌っていきたい。だから今がまた新たなスタートだと思ってるんです。

--これまでに未開拓で挑んでみたい事とかはありますか。

弘田:私はいろんなジャズとかロック、歌謡曲から民謡に至るまで、好きな音楽を歌わせてもらってきました。演歌以外はほぼすべてと言ってもいいくらい。その中でやってないことといったら、いつか宇宙語で歌ってみたいというのがありますね。宇宙語っていうのはつまり、自分が思うがままの言語のことです。大好きな場所で誰にも邪魔されず、浮かんでくるメロディを愛している言葉で発してみたいなと。まだ自信はないですけど。聴いてくれるのは、そこにいる自然界のものたち。動物や植物、風だとか空だとか、森羅万象、すべての万物と一体化するという感覚をいつか味わってみたくて。場所が定まったら早朝とか空気の一番きれいな時に。考えただけでなんだかワクワクします(笑)。憧れますね。それが今の夢なんです。

弘田三枝子

東京都出身。1961年「子供ぢゃないの」でレコードデビューし、弱冠14歳にしてポップスクイーンの地位を確立。“ミコちゃん”の愛称で親しまれる。「ヴァケイション」「すてきな16歳」などカバー・ポップスのヒットを連ねた後、1965年には日本人歌手として初めてアメリカの「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」に出場。1969年には「人形の家」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞した。1970年には、ダイエット本「ミコのカロリーBOOK」を出版し、150万部を超える大ベストセラーに。2016年のレコードデビュー55周年を間近に控え、久々の新曲「悲しい恋をしてきたの」を発表、記念ライブを催した。

オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/micomusic/

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