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姫乃たまが聞く、町あかりの真実 「Bメロはなくていいの」

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

姫乃たまが聞く、町あかりの真実
「Bメロはなくていいの」

取材・文/姫乃たま 写真/小高 剛 公開日:2016.09.14

平成が生んだ異能のシンガーソングライター、町あかりを知っていますか。
昭和の歌謡曲から影響を受けた、どこか懐かしく、頭から離れないキャッチーなメロディーと、唯一無二の風変わりな歌詞が、心にすっぽりハマって抜け出せないファンが続出しています。先日、セカンドアルバム『あかりの恩返し』をリリースしたばかりの彼女は、一体どんな人物なんでしょう。

※この記事は、2016年9月3日にLOFT9 Shibuyaで開催された「あかりちゃんまつり2」での、公開インタビューをまとめたものです。

【イベント説明】

あかりちゃんまつり2

9月3日 LOFT9 Shibuya

出演
町あかり
Guest:姫乃たま、DJ DANDY、
アイハラミホ。、宝塚大学の皆さん

当日のラインナップ
1.宝塚大学コラボまつり
2.姫乃たま×町あかり公開インタビュー
3.DJ DANDY 歌謡曲DJ&トークショー
4.爆笑炸裂ボディ! アイハラミホ。
5.町あかりライブ

町あかりへの第一歩――オリジナルのものを作るのが好きだから、自然と曲も自分のオリジナルを作りたいなって。

--ライブで実際に会っているファンの方はともかく、町さんの音源だけ聴いている人はきっと、おっとりしたお姉さんのイメージがあると思うんですよね。歌声が優しくて安心するから。これが意外とさっぱりした人なんですけど(笑)、さらに意外なのが、歌謡曲以外の音楽にほっとんど興味がないという。

町あかり(以下、町):あははは、そうかもね。歌謡曲以外は……うーん。よく、私のことをすっごく音楽を勉強してる人だと思ってインタビューしてくれる人がいるんだけど、相手も私も困っちゃって。昔から流行りの音楽に興味がなかったから、芸能にすごい疎くて、それより絵を描いたりとか、スポーツする方が好きだった。いま話すと笑われるんだけど、クラスで一番足が速かったの!

--あはは、アイデンティティが駿足! そんな町さんが、どうして歌謡曲に熱中したんですか。

町:中学一年生の時に、テレビからサザンオールスターズの『君こそスターだ』が流れてきて、急に大好きになっちゃって。もう、「サザン最高、桑田さん大好き-!」みたいな。それで高校生になってからふと、「サザンって1978年デビューだから、もしかして私ってその世代の曲が好きなのか?」と思って、インターネットで調べ始めたのがきっかけです。

--私達が高校生の頃ってちょうどYouTubeが開設して、世代を越えて音楽に触れられる環境になったんですよね。

町:インターネットでキャンディーズを知って、TSUTAYAまでベスト盤借りに行ったり。

--それから自分で音楽を作ろうと思ったきっかけはなんですか。

町:まず、歌うのって楽しいなって思ったんですよ。ギターにカポを付けて、キーを変えてサザンの曲を歌ったり、カラオケで好きな歌謡曲を歌うの、楽しいって。もともと絵を描いたり、物を作ったり、オリジナルのものを作るのが好きだから、その延長線で自然と、曲も自分のオリジナルを作りたいなって。

--じゃあ音楽を習ってたわけではないんですね。ちなみにいまはステージ衣装もご自分で制作されていますけど……。

町:私もうほんとに、きちんと学んでやってることが一個もないの! 日暮里のユザワヤで面白くて可愛くて安い生地買ったら、印も付けないでなんとなくジョキジョキーって切って、余ったら切って、折って縫って、ノリで貼って。もうミシンも使わない。曲も同じ感じで作ってます!

--天才かよ!

町あかりの二歩目――私自身よりも、作ったものが有名になってほしい。

--生まれて初めて作った曲って覚えてますか?

町:「ハイヌーンは熱く」っていうラテン調の曲。(松田)聖子ちゃんの「裸足の季節」が、「ハイヌーンは熱く」っていう仮タイトルだったってネットか何かで見て、格好いいと思って。すごく音が悪いんですけど、音源は家に残ってます。恥ずかしい。

--どうやって作ったの?

町:カシオのキーボードが家にあったから、それのプリセットでズッチャッズッチャッっていうリズムを使って、軽くオケを作って、それに歌を入れて……あれっ、いまと一緒だな。進歩がない!

--ギターがあったり、キーボードがあったり、町さん家ってなんなんですか!

町:遊ぶために買ってくれただけだと思うよー。小さい頃からあったけど、これでデモテープ作れるって気が付いたのは高校生2.3年生の時でした。

--えっ、どうやって録音したの?

町:家にマイクがあって……。

--町さん家、なんなの(笑)!

町:えへへ、それでパソコンにフリーソフトをダウンロードして、これで録れるんじゃないのって思って、パソコンぐにぐにやったら、録れた。

--勘が良い! そして、町さんはBメロ嫌いですよね……!

町:嫌いだねえ、Bメロ。Bメロはなくていいの。

--曲は歌詞のほうが先に出来ることもあるんですか?

町:うーん、タイトルが最初かも。

--珍しい!

町:歌詞はさあ、書くの大変だよねえ。私はタイトルから決めて、あとはもう同時って感じです。

--曲をつくり始めて、最初にライブをしたのはいつですか。

町:2010年かな。大学一年生の8月に、新横浜のライブハウスで。ずーっとお客さんゼロだった。

--じゃあずっと音響さんに向かってライブしてたんですか。

町:そういうことじゃないの!

--そういうことじゃないですよね!(わかってない)

町:自分のためだね……。ってなんか格好良くなっちゃったけど、学校も忙しかったし、月一回のライブに向けて新しい曲を作るっていうのが目標でした。そして誰もいないライブハウスに……。

--でも、町さんだけ出演してたわけじゃないんですよね?

町:うん。4人くらい出てたけど、関係なし。しかも、なんか私「アコースティックナイト」ってイベントに出てたんですよ……オケなのに。ちょっとギター弾いたりもしたけど、基本的にはがんがんオケ流して、30分くらい歌ってた。

--ファンが増え始めたのはいつくらいですか?

町:2013年かなあ。テレビ朝日の「musicるTV」っていう番組にデモテープを送って、有名じゃない人をフューチャーするコーナーに突然選ばれて。

--そもそも、町さんって有名になりたい願望はあるんですか。

町:えっ、あるよー。それは有名になりたいけど、私自身が有名になりたいっていうよりも、作ったものが有名になってほしい。たまちゃん(註:筆者)にも何曲か作らせてもらったけど、あの曲も有名になってほしい。

--あっ、提供していただいた『おんぶにダッコちゃん』、「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京)のBGMで流れてたらしいですね!

町:あれ、すごい嬉しかった! そういうのが嬉しいなあ。私自身がすごいねって言われても、ふーんって思っちゃうけど、曲が面白いですねって言われると嬉しい。そういう意味では、曲に有名になってほしいから、私も有名になりたいかも。

セカンドアルバム『あかりの恩返し』が生まれた、本当の理由

--町さんと言えば、マネジャーさんも「歌詞が一押し!」っていうくらいですけど、自分のことをこう見られたいから、こういう歌詞を書くっていう感じなんですか。

町:ア、いま違うこと考えてた! 私は歌ってる時と、作ってる時の自分は違うと思ってるんだけど、人は普通シンガーソングライターは自分のことを歌ってると思うんだよね。それがすごい恥ずかしい。だから、素直な恋愛ソングとかって恥ずかしいよね。甘くて素敵なものを書くと、「へえ、そんな風に思ってるんだ」とか、「そういう恋愛観なんだ」とか思われるのが恥ずかしいから、ひねくれた歌詞ばっかり書いちゃう。

--『あかりの恩返し』のコンセプトが、憧れの歌手への提供曲がになっているのも、その影響かな。

町:そうかもしれない。そのほうがずっと楽しかったし、楽。人に提供する曲は、自分で歌わなくていいから自由に歌詞も書けて楽しい。しかも、『あかりの恩返し』は自分で聴けるの! 普段は自分の曲とか流れてくると飛ばしちゃうんだけど、このアルバムは他人事って感じで聴けちゃう。

--わっ、それはすごいことですね。自分の曲を聴く人って滅多にいないですもんね。しかし、自分で作詞した曲を歌うのってほんと恥ずかしいよね……。

町:そうよ! アホな行為よ!! ヤバいと思う。

--あははは、わかります。そもそも人の前で歌うってこと自体……

町:頭がおかしい!!

--おかしいよねー!!(爆笑)

町:私もたまちゃんも散々ずっと歌ってきたけど、ほんとにそう思っちゃうよね。本来苦手だしね。本当は人の前とか絶対出たくないはずなのに!

--まさか将来的には舞台に立たず、作曲のお姉さんに……?

町:えー、でもそれはないかも! 私、曲を作ることがそんなに得意だと思っていないし、何もわからないで作ってるのほんとに! ずーっと、何にもわかってないことで生きていくのは、やっぱりちょっと心配じゃない。それに歌うのは好きだから、両立したいなって思う。舞台袖で、「私、舞台に出る人じゃないよなあ」って思う時もあるけど、人前で歌うの楽しいし気持ちいいから、やめないですよー!

町あかり
『あかりの恩返し』

VICL-64612 ¥2,500(税込)

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<収録曲>
01. 最高のセットリスト
02. 嫌われたくない
03. ○○○ ○○
04. メモリーズ・メゾン
05. 言ってもいいこと悪いこと
06. いい子にしてたらこうなった
07. あなた普通のサラリーマンでしょ?
08. 優先席に座りたい
09. 夜は早く寝て
10. 追いかけられる夢
11. よくある質問Q&A
12. 東京名物・人混み
13. ビビッドなおしゃべり
14. カラフルあげます

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025124.html

姫乃たま

地下アイドル/ライター

1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を軸足に置きながら、文筆業も営む。そのほか司会、DJとしても活動。フルアルバムに『僕とジョルジュ』があり、著書に『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。

ウェブサイト:
http://himeeeno.wix.com/tama

Twitter:
https://twitter.com/Himeeeno

町あかり

1991年5月28日生まれ 東京都出身。
平成生まれながら昭和の歌謡曲を愛するシンガー・ソングライター。中高生の頃から 1970~80年代の邦楽を好み、特に影響を受けたアーティストは、サザンオールスターズ、沢田研二、岩崎宏美、筒美京平、森雪之丞 etc…。インディーズ時代は作詞・作曲・編曲・歌唱・録音の全てを自分で手掛け、数々の名曲を量産。高い歌唱力で歌われるそれらの楽曲は、「一度聴いたら頭から離れない」と評される。2014年には電気グルーヴ25周年記念ライブにオープニングアクトとして出演。各方面からその鬼才ぶりを評価される中、2015年6月24日にアルバム『ア、町あかり』をリリース。9月23日にはリクエストに応える形で初めてのシングル「もぐらたたきのような人」をリリース。「ミュージック・マガジン」誌ではアルバム『ア、町あかり』が2015年年間ベストアルバム歌謡曲部門でベスト9位にも選出され、今後の活躍が期待される。

オフィシャルサイト:
http://akrmc.blog135.fc2.com/

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