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松本伊代 LIVEレポート

歌謡曲リミテッド LIVEレポート

松本伊代 LIVEレポート

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取材・構成/濱口英樹 写真:十河英三郎 公開日:2016.10.26

松本伊代35th Anniversary Live~やっぱり伊代ちゃん’16
永遠のSweet Little Sixteen

80年代アイドルの地力をまざまざと見せつけられたライブだった。そう、あまたのビッグアイドルを輩出した“花の82年組”の代表的存在として、今なお活躍を続ける松本伊代のデビュー35周年記念コンサートを鑑賞しての偽らざる感想である。ストリングス隊4人を含む11人編成のバンド&コーラスを従えた彼女は2時間で23曲を熱唱。初期の曲では往時と変わらぬキュートなパフォーマンスを見せ、中期以降のアダルトな作品では磨きのかかったアルトボイスでしみじみと聴かせた。もちろん口パクやかぶせは一切なし。アイドル時代に生放送の歌番組や、1日2公演のコンサートで鍛えられた賜物だろう。知っている曲が多いのもヒット曲に恵まれた80年代アイドルならではの楽しさで、「もっと聴きたい」「もっと観たい」と思わせるスペシャルなステージだった。

その松本伊代は1981年10月21日、「センチメンタル・ジャーニー」(作詞:湯川れい子、作曲:筒美京平)で歌手デビュー。ヒットメーカー・筒美京平に「はっきり云って美声ではないが、実にユニークな響きのある声。ちょっと甘えっぽく、少年的でもある伊代さんの声が私は大好きです」(04年『松本伊代BOX』への寄稿文より)と言わしめた個性的なボーカルでヒットを連発し、82年の日本レコード大賞新人賞を受賞するなど、人気アイドルの地位を不動のものとする。当時は毎年のように有力アイドルがデビューしていたが、後輩たちに追われる立場になった松本は「時に愛は」(83年/9thシングル/作詞・作曲:尾崎亜美)や「サヨナラは私のために」(86年/20thシングル/作詞:川村真澄、作曲:林 哲司)といったバラード曲も歌いこなせる歌手に成長。シングルだけでなくアルバムでも意欲的な作品を発表し、各方面から高い評価を獲得した。93年に結婚し、2児の母となってからは音楽活動をセーブしていたが、2012年に単独ライブとしては約20年ぶりとなる30周年記念コンサートを開催。東京・品川ステラボールに800名のファンを集めたのを機に親衛隊が復活するなど、ここ数年、歌手としての活動を本格化させている。

そんな彼女の35周年ライブのタイトルは“やっぱり伊代ちゃん’16”。これは86年開催のコンサートをプロデュースした秋元康が考案したキャッチコピーで、今回は原点回帰という想いを込めて再び使用されたという。末尾の“’16”は2016年という意味はもちろんだが、彼女のトレードマークともいえる“16歳”を掛け合わせたもの。そのタイトルどおり、ライブではデビューした16歳の時に歌った曲を違和感なく披露しただけでなく、お気に入りのスローバラードもしっとりと歌い上げ、場内を埋め尽くした約320名のファンを魅了した。
どんな歌を歌っても、天然トークを展開しても、伊代ちゃんはやっぱり伊代ちゃん。いくつになっても自然体で新鮮さを失わない、そんな唯一無二の魅力をふりまいたアニバーサリーライブ(1ST STAGE)の模様をレポートする。
(注:11月2日の追加公演に参加予定で、内容を知りたくないという方は、公演終了後にお読みください)

【公演概要】

松本伊代35th Anniversary Live~やっぱり伊代ちゃん’16~

日程:
2016年10月15日(土)
1ST STAGE 開場15:30 開演16:00
2ND STAGE 開場19:00 開演1930

会場:
東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

松本伊代
『YAPPARI I・Y・O‘16 DELUXE PACK 35th Anniversary Special』

2016年9月28日(水)発売
CD1枚+DVD1枚+豪華フォトブック
6,500円(+税) VIZL-1048

amazonで購入する

<CD収録内容>
1stアルバム『センチメンタルI・Y・O』より
01. ワンダフル・ハート
02. ひとかけらの夏
03. テル・ミー・プリーズ
04. タイム・カプセル
05. あなたとアゲイン
06. 風のソネット
07. センチメンタル・ジャーニー
08. 夜間飛行(ミッドナイトフライト)
09. 別れの風景
10. スクランブル交差点
11. 愛の旅人
2ndアルバム『サムシングI・Y・O』より
12. ハート・コレクション
13. バージニア・ラプソディ
14. 或る夜の出来事
15. ダンスのリズムを変えて
16. スウィート・インスピレーション
17. プールサイドで待つわ
18. ラブ・ミー・テンダー
19. さよならを返して
20. A BOY MEETS A GIRL
21. ラブ・LOVE・ラブ

<DVD収録内容>
「スポニチ芸能ライブラリー」より
01. 「キュートな16才」(81年12月31日OA)
02. 「将来はミュージカル」(82年3月22日OA)
03. 「初めてのコンサート」(82年5月4日OA)
04. 「初夢コンサート」(83年1月28日OA)
05. 「18才!恋人はミッキーマウス」(83年7月15日OA)
「ファンタスティックコンサート」(83年1月7日 中野サンプラザ)より
06. TVの国からキラキラ
07. スウィート・インスピレーション
08. ラブ・ミー・テンダー
09. センチメンタル・ジャーニー
10. 抱きしめたい
11. 魔女っ子セブンティーン
12. Kiss In The Dream
13. ラブ・LOVE・ラブ
「Doki Dokiコンサート」(83年8月20日 日比谷野外音楽堂)より
14. オーバーチュア
15. ネバーランド発7:00PM
16. 愛の聖書(バイブル)
17. パンドラの夢
18. チャイニーズ・キッス
19. 或る夜の出来事
20.恋のバイオリズム
21.太陽がいっぱい
22.南十字星

<フォトブック収録内容>
A4判、全128ページ
『近代映画』から提供された、デビュー当時の未公開写真118点
『近代映画』 82年1月~3月号に掲載された貴重なインタビュー記事を復刻
(古い誌面のため、一部画像が不鮮明な部分や乱れなどがございます。あらかじめご了承願います)
松本伊代最新インタビュー記事

※初回生産分のみ、【サイン入りグッズお渡し会 参加券】封入
2016年10月15日(土) /11月2日(水)
東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
35周年記念コンサート会場にて有効。(コンサート・チケットは別途必要)

近年は歌番組への出演やジョイントライブの実施など、精力的な音楽活動を続ける松本伊代だが、単独ライブの開催は30周年公演以来4年ぶり。コンサート当日は全国から集結した親衛隊(女性メンバーを含む約20名)がピンクの法被やハチマキ姿で開演前から“IYOちゃんコール”を送り、2階席には横断幕が掲示されるなど、会場には早くもお祭りムードが漂う。
やがて「ワンダフル・ハート」(81年/作詞:有川正沙子、作曲:亀井登志夫)のイントロとともに、ピンクベージュのフィッシュテールドレスの松本が登場。曲の途中で、デビュー時からバックダンサーを務めるキャプテン(北澤清子、山本恵子)の2人が加わると、会場のボルテージは一気に上がった。ちなみに「ワンダフル・ハート」は1stアルバム『センチメンタルI・Y・O』のオープニングチューン。9月28日にリリースされた35周年記念CD+DVD+フォトブック『YAPPARI I・Y・O ’16』の企画コンセプトが“16歳の松本伊代”なので、それに合わせてセレクトされたのだろう。周年ライブの幕開けにはうってつけのナンバーで、のっけから観客を35年前にいざなった。

そしてデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」と、4thシングル「オトナじゃないの」(82年/左作詞:糸井重里、作曲:筒美京平)を続けて披露。アイドル時代の振り付けをキャプテンとともに完璧に再現して、当時を知るファンを熱狂させつつ、歌唱後のトークでは「(代表曲の)『センチメンタル・ジャーニー』をもう歌っちゃったから、今日はあと2~3回は歌わなきゃ」と笑わせる。時に自虐ネタを交えつつ、観客を引き込む話術は35年のキャリアのなせる業だろう。

その後は『YAPPARI I・Y・O ‘16』にも収録されている、16歳の時にレコーディングされた曲を歌唱。ポップスファンの間では名盤との誉れ高い2ndアルバム『サムシングI・Y・O』(82年)に収録された「ダンスのリズムを変えて」と「或る夜の出来事」(両作とも作詞:康 珍化、作曲:亀井登志夫)、1stアルバム収録の「風のソネット」(81年/作詞:有川正沙子、作曲:亀井登志夫)の3曲で、いずれも亀井登志夫が作曲した作品だ。松本自身も「歌いたいと思う曲を選んだら全部亀井さんの作品でした。どうやら私は亀井さんのメロディが好きなようです」とコメント。いずれもアルバム曲ということもあって、終演後のSNSでは「まさかあの曲を歌ってくれるとは!」という感激の声が相次いだ。

ここまで聴いて驚いたのはデビュー当時の作品を歌っても、無理をしている感じが全くないこと。もともと他の女性アイドルのようにハイトーンが売りの人ではなかったし、彼女の声に合わせてキーを低めに作られていたからかもしれないが、キャリアの長い歌手にありがちな「声が出なくなったなぁ」というガッカリ感は皆無。寧ろアルトボイスに安定感が出て聴きやすくなった気さえする。これはなかなか稀有なことだし、今後も数多くのオリジナル曲を聴かせる可能性があることを示している。ビジュアル面でも体型は「ツイッギーみたい」と言われたあの頃のままだし、衣装のセンスも相変わらず抜群。だからこそアイドルソングを歌っても違和感がないのだろう。もちろん彼女をバックで支えるキャプテンの存在も大きいわけだが。

そんな感慨に浸っていると、ステージではそのキャプテンとともに「あなたとアゲイン」(81年/1stアルバム収録曲/作詞:鈴木隆子、作曲:穂口雄右)、「恋のKNOW-HOW」(84年/10thシングル/作詞・作曲:尾崎亜美)、「太陽がいっぱい」(83年/7thシングル/作詞:篠塚満由美、作曲:羽佐間健二)のアッパーチューンが立て続けに披露され、会場は大いに盛り上がった。さらに彼女が短大卒業後に発表して好評を博した“恋愛三部作”の第2弾「サヨナラは私のために」をソロで聴かせて前半は終了。ここまでシングルA面が5曲、アルバム曲が5曲。アップ、ミディアム、スローをバランスよく組み合わせて、観客を飽きさせない構成だ。

一旦、暗転したステージが明るくなると、上手より衣装替えしたキャプテンの2人が登場。松本がお色直しをしている間、キャプテンのお喋りとミニライブを楽しんでもらおうというコーナーだ。2人はバックダンサーにスカウトされたいきさつや、アイドル時代の微笑ましいエピソードを紹介。87年にBe-2としてデビューしたときのシングル曲「恋のバカンス’87」と「ナオミの夢」をノリノリのダンスとともに披露した。

(次ページへ続く)

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松本伊代

1981年、『たのきん全力投球!』(TBS系)で田原俊彦の妹役に抜擢され、同年10月21日 「センチメンタル・ジャーニー」で歌手デビュー。以後、「TVの国からキラキラ」、「時に愛は」などヒットを連発し、プロマイド売り上げ1位となるなど、“花の82年組”を代表するアイドルとして活躍。93年にヒロミと結婚してからも、同期ユニット「キューティー★マミー」結成や、ミュージカル『ヒロイン』への出演など、多方面で才能を発揮している。現在までにシングル25タイトル/オリジナルアルバム12タイトル/ライブアルバム1タイトル/企画盤1タイトル(ベスト盤は含まず)をリリース。デビュー35周年を迎えた今年は記念企画として、9月28日(水)に『YAPPARI I・Y・O ’16~松本伊代DELUXE PACK 35th Anniversary Special』<VIZL-1048 ¥6,500(+税)>をリリース。CD1枚+DVD1枚+A4判128ページの豪華フォトブックという、まさにデラックスなパッケージで、2016年に16歳の松本伊代の魅力を、歌と写真と映像で訴求する内容となっている。。

オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/iyo/

『東京レコード散歩』2016年11月30日発売。東京にちなんだ曲だけを収録したコンピレーション・アルバム『東京レコード散歩』第一弾がレコード会社3社から同時発売!

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