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半田健人 どこまでもハンサムな歌謡曲界のプリンス、最新型の歌謡曲でメジャー・デビュー

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

半田健人
どこまでもハンサムな歌謡曲界のプリンス、
最新型の歌謡曲でメジャー・デビュー

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取材・文/鈴木啓之 公開日:2016.12.07

--半田さんが一番影響を受けたのはやはり阿久さんですか。

半田:もともとはなかにしさんだったんです。なかにし礼さんの詞が好きで、小説も読んでいました。でも阿久さんやなかにしさんは歌謡曲を研究していればどこにでも出現される方ですからね。阿久先生、なかにし先生というのはもう別格ですね。そのほかですと千家和也先生、あとは山川啓介先生ですとか。山川先生は最近になって特に魅力を感じてきたのは自分が年をとってきた証拠だなと思うんですけど、あの方は男の挽歌みたいなものが上手いんですよね。中村雅俊に書かれたものとか、西城秀樹さんに「勇気があれば」という曲があるんですが、そのB面の「IF(イフ)」。これがいいんですよ。曲もいい。作曲は(筒美)京平先生です。

--ある程度の年齢になると解ってくる良さがありますよね、歌謡曲には。

半田:同じ曲を聴いても昔は全く響かなかったものが響いてきたりするのが面白くて。最近では森田公一とトップギャランがいいんです。森田先生は作曲家としてもたくさんの曲を書かれてますけど、トップギャランの良さは20代後半位から段々わかってきました。「青春時代」とか昔は土臭いなとか思ってましたけど、やっとその良さが解かる様になりましたね。(しみじみと)トップギャランはいいですよー(笑)。「ある青春」とかもう(共感が強すぎて)ちゃんと聴いてられないです。それはやっぱりいろんな経験とか年を重ねてきた証拠で、以前はそれこそ曲調とかアレンジ、音符だけで判断していた時期があって、都倉(俊一)先生一直線だったんですけど、詞とメロディとボーカリストの一体感ということから、こんなにトップギャランが好きになるとは思いもしませんでしたね。かと言って僕のやるジャンルではないなとも思いますし。客観視した時に。だから今回の曲もこの年にして出来た曲だなと思いますね。配慮ですとかいろいろな面においても。もう少しこうした方が気が利いてるなというのも覚えてきて。

--20代の頃には書けなかった詞であろうと。

半田:でしょうね。詞もそうですし、曲も書かなかったんじゃないですかね、こういうものは。先日、林哲司先生に聴いていただいた時に、「弦のフレーズがどんどんうまくなってる。引くことを覚えてきたね」と仰っていただきました。前はちょっと書きすぎる傾向があったんです。それが今はすごくいい動きしてるよって言って下さって嬉しかったんですけれども。一度やりすぎ位のことを経験したからこそマイナスの考えが出てきたりしたんだというのを実感してます。

--先ほど千家和也さんの名前が出ましたけど、千家さんの詞もすごいですよね。

半田:すごいです。なんていうんですかね、どこか正しい日本語じゃない部分もあるんですけど、それが妙に引っかかってくるというか、綺麗過ぎないところがいいんですよね。山口百恵さんに書かれた「冬の色」なんかは、“からたちの花よりも薄い匂い”っていうフレーズがあるんですけど、口紅の色なのに匂いって、色の話をしてないじゃないかと。フィーリングなんですよね。百恵さんの詞はほとんど聴いてますけど、阿木(燿子)さんと宇崎(竜童)さんにバトンタッチする前の初期の作品はほとんど千家さんが書かれていて、すごくいい歌がありますよね。けっこう度ぎつい、艶めかしい表現もあるんですけど。麻丘めぐみさんや片平なぎささんの初期の歌もいいです。僕が歌ってきた曲ではバス・ストップですかね。あとは「ゴッドファーザー愛のテーマ」の訳詞とか。僕は歌手ではナンバーワン・ボーカリストとして尾崎紀世彦さんがいらっしゃる以外は、常に作家目線で歌謡曲というものを聴いてきたんですよね。一時期はレコードもライナーの作家だけを見て、歌手に関係なく買っていました。誰が歌ってもいいんだ、誰が作ってるかが大事なんだっていう時期がすごく長かったんです。最近はボーカリストによって曲が化けることが判って、作曲家は知らないけれどもこのボーカルがすごくいいんだという聴き方をする様になりましたけれども。

--そもそもそういう視点を持たれたのは何かきっかけがあったんでしょうか。

半田:最初に歌謡曲を聴き始めた時に、自分がいいなと思う曲の作家の共通点があったんですね。まずは都倉先生、それから川口真先生、編曲では馬飼野俊一先生。この辺りはいいなと思って作家を見るとだいたい同じ名前が出てくるんですよ。なのでこれは作家で聴く歌謡曲は面白いなと。僕自身曲を作りたいという欲があった人間なので、その技を勉強させてもらうつもりで聴きました。優れた方ほど、作曲癖、編曲癖みたいなものがあるじゃないですか。アレンジャーによって曲の雰囲気も全然違ってくるわけで。ただ、この「十年ロマンス」に関して言うと、このアレンジは誰風でもないんですよね。このメロディに相応しいアレンジをしたというだけで。僕が今までリアルタイムで聴いてきたJ-POPの要素が一番なのかなという気はしますね。特に僕が中学生の頃ですかね、年代でいうと97年から2000年くらい。あえて言うならばその辺りのJ-POPの音ではないですかね。ギターの使い方であったりとか。一時期は弦が全く排除された時代がありましたけど、僕はやっぱり弦が好きなので、ストリングスはアレンジ上欠かせないです。誰かに習ったわけではないので、聴き込むことで勉強するしかなかったんですね。だから怖いのは無意識盗作です。聴いてる量が多いだけに。あれ、妙にスムーズに出来たなと思ったら、あーあれだったかってことがあるんですよ(笑)。

--改めてメジャーデビューを迎えた心境はいかがですか。

半田:僕の中の指針として、音楽は本当に好きだし上手い下手関係なく、これからもずっと続けていきたいと思ってるんです。今回まさかのメジャー・デビューするに至って、ここまで思い通りの作品を作らせていただけるとは思っていなかったので、それはものすごく感謝しています。メジャーは思い通りにさせてくれないから、(主張が)5割通ればいい方だよ、なんてことを周りから聞いていたので、最初は有り難い反面どうなるんだろうという一抹の不安もありました。でも(担当ディレクターの)川口さんと話をしてゆくうちに、僕の素材で作品を作りたいと仰っていただいて、こういう作品が出来たんですが。むしろ特例なんじゃないかと思ってるんですよ。最初はいろいろ言われてたんですけど、進めていくうちに(こいつ、折れねぇな)と思われたんでしょうね(笑)。

--候補曲はほかにもいくつかあったんでしょうか。

半田:10曲くらいあって、まずは自分の作品性を見ていただこうと。川口さんからは「現代のジュリーの様になって欲しい」というリクエストがあったんですが、沢田さんは素晴らしいですけど、僕自身自はそこまでの強い想いがあったわけではなくて。僕は放っておくと(野口)五郎さんなんですよね。ジュリーをやってるつもりが五郎さんになっちゃうんですよ(笑)。顔のせいなのか声質のせいなのかキャラなのか判らないんですけど。でも、川口さんのジュリーに拘ったアイデアは結構刺激になって、結果としてカップリングの曲はそこから生まれてますし、タイトルの「十年ロマンス」もええい、やっちゃえということで。いざ作業が始まるとジャケットの撮影なんかも含めて実質一ヶ月で出来ちゃいましたね。ジャケットは新宿のホームで撮ったんですが、これは実際に運行している営業車両なんですよ。一般客は降りないホームで係りの方に立ち会っていただいて。

--その辺りも含めて、半田さんの想いが結晶したシングルになりましたね。

半田:今の時代、正直なところ歌謡曲はマーケティングとしては乏しいと思うので、じゃあどういう人が歌謡曲をやるべきかということを考えた場合、興味のない人に無理やりやらせるんではなく、好きな人じゃないとやっていけないですよ。好きな人と知識のある人。同世代はもちろん、多少上の方でも怪しいですよね。僕なんかが歌謡曲について話をしてるのは70代の方とかですもん(笑)。でも若い人でも歌謡曲好きな方はいらっしゃるから。昭和の歌謡曲を潤沢に聴いてこられた方はもちろんですけれども、そうでない方にもこの曲を聴いてもらえて、さらになにか引っかかるものを感じてもらえたら、それはとても嬉しいことですね。ジャンルに捉われずに聴いていただけたらと。

(2016.10.20 ビクターにて)

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半田 健人(はんだ・けんと)

1984年6月4日、兵庫県芦屋市生まれ。ふたご座、O型。『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入り。『ごくせん』 第5話のゲスト出演でドラマデビュー。『仮面ライダー555』乾 巧(いぬい たくみ)/ 仮面ライダーファイズ役で初主演を飾る。『タモリ倶楽部』への出演を機に、高層ビル好きであることが知られるようになる。特技は高層ビルの目測高さ当て。鉄道(乗り鉄)、昭和歌謡といったジャンルへの造詣も深い。他にも、ビザールギター集め、宅録、アンパンマンなど趣味多数。毛筆五段、硬筆初段の資格を持つ。

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